ペルソナ:資材調達へ就くことを考える人。新入社員・未経験。
KW:資材調達 業務 一日 流れ
- メーカー勤務
- 資材調達1年目
- 海外とのやりとりも経験
- 2度の異業界・異業種への転職経験
新しい仕事として、資材調達を考えてるあなた。
資材調達の業務内容に、どんなイメージがありますか?

価格交渉大変そう



板挟みされそう



海外とのやり取りが大変そう
確かに簡単な仕事ではないですが、容量をつかめばある程度業務を簡単にこなすことができます。
今回は、現役資材調達部員の一日を解説します!
資材調達の業務内容
まずは資材調達の業務内容を簡単に見ていきましょう。
私は金属などの板金類も扱う企業に勤めています。
他業界の事情とは異なる部分もありますが、新人はおおまかに同じと考えても大丈夫です。
簡単な業務内容
言っては悪いですが、正直簡単な業務はあります。
日常生活でも資材調達の業務と同じことをしている方も多いでしょう。
カンタンですが、気を抜いて行っていいわけではないのでご注意を!
発注
生産するのに必要な資材を買います。
大抵は前回購入したところが実績を持っているので、同じものを会社の管理番号と共に発注書をだします。
図面などがある場合は、その都度図面を渡し、変更点が無いかを相互確認します。
万が一違うものが生産されてしまえば、「取り付けられない」「機能しない」などの不具合がおきるので注意です。
(図面などの変更点は、図面を書く部署が責任をもって共有するようになっている場合が多いです。)
伝票処理
仕入れた資材の伝票(納品書など)をチェックします。
大抵は各部署に経理の方がいるので、仕入れ値に変更がないか・見積書と価格が一致しているかなどを見ます。
出荷側も売り上げに関わる金額なので、適当な金額を入れてくることはめったにありません。
数十円程度の値上げなら予告なしで行われることもあるので注意は必要です。
受入れ検査
仕入れた者視座が、発注書通りの資材かを確認します。
電子部品だと、型番が違えば別物ですし、廃盤にようる代替品が送られてくる可能性もあります。
取引企業を100%信頼してチェックしないこともできますが、生産時に違っていることが判明すればまず怒られるのは資材調達部員の私たちです。
ちなみに、受入検査は組み立て部門が行う会社もあるので、受入検査業務はケースバイケースです。
出庫
生産に必要な資材を、生産に必要な分引き出し、組み立て部門にパスできる状態にする業務です。
先ほどの受入検査と内容は似ていますが、出庫では在庫などの「以前発注して残しておいた資材」も含まれます。
工場などの組み立て部門がある企業では、在庫を保管する場所もあることが多いです。
難しい業務内容
資材調達として難しい業務は「対人交渉」といっても過言ではありません。
自社の生産を止めないためには、生産開始日までに資材が揃えていなくてはいけません。
企業を繋ぐ顔である立場だからこそ難しい業務があります。
発注
必要なものを発注すれば勝手に資材が届く。
そんなAmazonみたいな業務でも、難しい業務の一例がこちら。
- 発注先への図面指示
- 廃盤による代替品の提案
- ロット数による発注量の変更
いずれもそこまで難しくないように思えますが、資材調達としては必要な量・内容以外は知識がないことも多いです。
資材調達部門は「安く仕入れる」が仕事の大本命。
製品を作ったり、機能するかの実験などは行いません。



発注について安心できるのは、「納品された時」と言っても過言でもありません。
在庫管理
資材調達には時間がかかるものやロット品、廃盤の流通在庫を確保したものなどが在庫として保管されてる場合があります。
仕入れて保管しているだけなのに、どこが難しいのでしょうか?
- 資材の劣化
- 保管場所の不足
- 次回発注のタイミング
- 在庫品から不良品が見つかる
- データ上の在庫数と現物の数が一致しない
時間的な問題、数量的な問題、タイミングの問題、さまざまな要因でトラブルが起きます。
生産在庫を管理するのも業務の一つ。



破棄品を出すことは、会社のお金を捨てることと同じです。
納期交渉
発注書には、希望納期などの「いつまでに欲しい」という文言が存在します。
資材調達としては、生産が始まるまでに資材が揃っていればOKです。
しかし生産予定が早まったり、保養部品として資材の単品購入なども有り得ます。
また、大型の電子部品などでは生産期間が数ヶ月かかるものもあったりと、希望納期に間に合わない可能性もあるのです。
他社に切り替えて発注するか、相当品で対応できるのか、社内での納期をズラしてもらうかなど、様々な方法で納期を調整するのも購買の業務の1つです。



社内で納期をズラしてもらうのは、お客さまとの約束を破ることになるので99%無理な事が多いです。
価格管理
実際に購入した金額は、次回も使用する可能性が高いので、つねに自分で価格の記録をつける必要があります。
私の場合はエクセルで管理をしています。
担当する資材が多ければ多いほど、記録する量も増えていきます。
価格の更新を怠れば、次回の発注時に相手企業から指摘を受けることもあります。



感覚としては一番の雑務ですが、価格管理を怠ると後々大変なことになります。
業務まとめ
同じ業務にしても、簡単な範囲と難しい範囲が存在します。
発注ひとつにしても、買うだけではなく、購入内容の窓口としての役目を担います。
資材調達の業務内容は簡単なようにみえますが、資材に対する何でも屋になり得る立場なのです。
資材調達の一日
- メールチェック
- 資材納期チェック
- 資材受入れ・出庫
- 生産ミーティング
- 仕入れ先選定
- 価格交渉
- 伝票処理
海外などは時差があるため、私が退社してからメールが届くこともあります。
時間も比較的ゆっくり使える朝の時間にメールの返信を行うことが多いです。
今日をふくめ、直近の納品具合を確認します。
納品作業は30分以上の時間を簡単に使うため、自分の業務のタイミングを作るのに必要な作業です。
仕入れた資材が発注書通りであるかを確認します。
型番や色味、寸法など使用に関わる様々なポイントで確認します。
週一回、月一回などで行うミーティング。
生産に関わる全ての流れを確認し合います。
昼飯時は他の会社からの連絡は滅多に来ません。
午前中に返せなかったメールをチェックします。
返信は早い方が業務も止まりません。
新規生産の段取りあれば、資材を発注します。
納期までの期間や、資材を揃えるまでの手間を考慮して、新規取引先に見積りを出すこともあります。
一つの製品にかかる原価を入力します。
粗利に直結する数字なので、適当に入力すれば会社のお金が合わなくなります。
業務課などの補用部品を管理する部署がある場合は、生産以外での発注も行います。
備品の発注などもあるため、「買う」ことすべてが業務につながるのです。
退社前にメールチェックをしたり、翌日のto DOリストをまとめたりします。
書き出すことで、必要時間が見える化することもあり、作業効率が上がります。
多くは資材調達の業務を毎日行っています。
見た目は簡単な業務ばかりで、忙しいことなんてあるのだろうか?と思われがち。
- 生産が止まる
- 売り上げが落ちる
- 最悪の場合、会社の信用も落ちる
製造業ではなくてはならない存在の資材調達。
モノが無いと生産ができなくなります。
カバーできないミスは避けれるようにつねに考えています。
資材調達のやりがい
安く仕入れることがメインの資材調達ですが、やりがいはあるのでしょうか?
私が感じるやりがいや面白みを紹介します。
人と関われる
取引先の開拓や発注のための情報交換などを行うため、社内外の方と常に連絡をとります。
本当に、営業してるんか?と思えるくらいに、指名の電話もかかってきます。
取引企業ごとに扱う資材が違うため、知識欲のある方には向いているでしょう。
物の仕組みを知れる
私自身はモノつくりが超苦手。
説明書を見ながら間違えて作るくらい、モノつくりとは無縁の人生を送ってきました。
それでも製品の知識と、実際の組み立ての現場を見ることが出来るのは資材調達だけ。
実際には手を下さずとも、モノが完成していく姿は私は好きです。
充実感がある
資材調達は納期に追われる仕事です。
通常の仕入れ業務から、納期を早めるための確認・交渉。
資材が手元にないと、他の人も仕事が進まないため、社内外から急かされることもしばしばあります。
業務上ではありますが、人が集まってくるため、ある意味充実感があります。
効率化を好きになる
資材調達は時間に追われます。
そして自分の業務以外のことも行うので、自分の業務が進まないことなんて当たり前なのです。
本来の「安く仕入れ、納期に間に合わせる」を達成するために、簡略できるところを探し、1分でも、1工程でも自分の仕事を削ることを考えます。
業務効率化のために新しいシステムを学ぶ機会にもなるので、常に気づきの姿勢が保てます。
今日の初心
資材調達の業務内容を簡単に解説しました。
もちろん私が未経験だからということもあり、本当はもっと大変だよ!という資材調達員の方もいます。
資材調達の目的は「安く仕入れて、納期を狂わさないサポート」です。
業界や職種の知識が増えれば仕事はどんどん面白くなっていきます。
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